有名プライベートジムのテレビCMを見て
「自分だって筋トレすれば痩せられるはず…」
そう思って毎日がむしゃらに筋トレを頑張っている人もいるだろう。
しかし、こんなことをいうと怒られそうだが、実は筋トレだけでダイエットをするには効率が悪すぎる。
なぜなら、筋肉が増えてもあなたが期待するほど基礎代謝は上がらないからだ。
また、筋肉を増やすのは非常に大変なのだ!
よく
「筋肉が増えることで基礎代謝が増えて太りにくい体になる」
なんてことを聞くが、そんな軽々しく言ってはいけない。
もちろん、ダイエットのために筋トレをするメリットはたくさんあるのだが、それだけで良いと思い込んでいると、思ったように痩せられないぞ。
そこでここでは、筋肉を増やす難しさと、食事の管理こそがダイエットの近道であるということを解説していく。
痩せるためには「筋トレが一番!」ではない!
ズバリ結論から言わせてもらうと
「痩せるためには筋トレが一番ではない」
いきなりこんなことを言うと
「筋トレはダイエットに良いに決まってるじゃん!」
なんて声が聞こえてきそうだが、あえて続けさせてもらう。
筋トレにダイエットの効果がないと言っているのではない。
「一番ではない」と言っているのだ。
言い替えると
「筋トレだけのダイエットは効率が悪い」
とも言うことができる。
では、どうすればダイエットの効率が良いのかと言うと
「食事の管理こそがダイエットの一番の近道だ!」
ということだ。
以下、順に説明していくことにする。
筋肉量アップで基礎代謝はほとんど上がらない
いきなり衝撃の事実なのだが、まずは結論だ。
- 筋トレをして筋肉を増やしても基礎代謝はほとんど上がらない。
これは事実だ。
例えば、一生懸命筋トレを頑張って筋肉量が「1㎏」増えたとしよう。
ちなみに、純粋に筋肉を「1kg」増やすのはかなり大変だ。
筋トレの初期の頃であれば、もともとの筋肉量が少ないので半年~1年くらい頑張れば可能かもしれない。
しかし、ある程度筋トレを続けてそこそこ筋肉が付いてしまうと、そこからさらに1㎏の筋肉を増やすには相当な努力が必要だ。
ボディービルダーのように、トレーニングメニューや食事、サプリなどを徹底的に管理しても1年くらいかかるとも言われているのだ。
そして、そうやって頑張って頑張って筋肉量を1㎏増やして増える基礎代謝は、
「1時間当たり13kcal…」
もう一度言おう。
筋肉量を1㎏増やした時に増える基礎代謝量は
「1時間当たり13kcal」
…もはやうんこのレベル(笑)
そう、めちゃくちゃ筋トレがんばって筋肉を1㎏増やしても、増える基礎代謝量はたったの「13kcal」なのだ!
つまり、筋肉量を増やすことによって増える基礎代謝をあてにして痩せようと考えるのは、非常に効率が悪いのだ。
筋トレは基礎代謝ではなく活動代謝を増やすために効果的
上記の説明で、筋肉を増やしても基礎代謝はそれほど上がらないことが理解できただろう。
それではどうすればよいのか?
その答えは「活動代謝」にある。
「活動代謝」とは、文字通り人間が活動する時に消費されるエネルギーのことだ。
筋肉量が増えるということは、車で例えるならエンジンが大きくなることと同じだ。
- 「デカいエンジン」=馬力がある
- 「デカい筋肉」=力がある
ということだ。
また、こう言い替えることもできる。
- 「デカいエンジン」=燃費が悪い=ガソリンをたくさん使う
- 「デカい筋肉」=燃費が悪い=エネルギーをたくさん使う
そう、
つまり、車のエンジンと同じく人間の筋肉もデカくなればその分燃費が悪くなると考えることができるのでないか?
デカい筋肉でも、ただ息をしているだけの基礎代謝ではそれほど大きなエネルギーを消費することはない。
しかし、デカい筋肉はひとたび運動をすれば非常に大きなエネルギーを消費するのだ。
これが、デカい筋肉を付けることの最大のメリットなのだ。
つまり、筋トレをして筋肉がデカくなれば「活動代謝」が大きくなるため、あとは普通に生活しているだけでもどんどんエネルギーを消費していくのだ。
これが、筋肉を鍛えてダイエットできるメカニズムなのだ!
基礎代謝が増えないことにショックを覚えたかも知れないが、筋肉を鍛えることで活動代謝を増やすことは可能なのだ。
効率よく痩せたいなら筋トレよりも食事を管理するべし!
ここまでの説明で、
- 筋肉を増やすのは大変!
- 筋肉が増えても基礎代謝はほとんど増えない
- 結局「活動代謝」に頼るしかない
ということが理解できたはずだ。
では、効率よく痩せるにはどうすればよいのか?
それはズバリ「食事の管理」だ!
「そんなこと、言われなくてもわかってるわ!」
って言われそうだが、今現在、あなたが思うようにダイエットできていないのであればひとまず黙っていただこう。
まずは、食事の基本を知らなければ始まらない。
以下のことをしっかりと理解してくれ。
糖質食べる前に〇〇を食べろ!
糖質は、車で言うとところの「ガソリン」のようなもの。
つまり、人間のメインのエネルギーと言って良いだろう。
しかし、糖質は非常に良質のエネルギーなのだが、ダイエットに関してはひとつだけ欠点がある。
それは
- 使いきらないと脂肪として蓄えられてしまう
ということだ。
もっと正確に言えば、血糖値が上がりすぎることが太る原因である。
血糖値が上がるとインシュリンの働きで糖を中性脂肪に変換してしまう。
これが、我々が太ってしまう唯一の原因なのだ。
なので、糖質を食べるなら、急激に血糖値が上がらないような食べ方をしなければならないのだ。
血糖値を上げないために一番良い食べ方は「タンパク質のあとに食べること」だ。
タンパク質を食べると、血糖値の上昇を抑えるインクレチンというホルモンを分泌させるからだ。
また、糖質の少ない野菜や脂質を一緒に食べることもオススメだ。
野菜や脂質を食べることで、糖の吸収が緩やかになって血糖値が上がるのを抑えてくれるからだ。
これ以上体脂肪を増やしたくないなら、ご飯やパンを食べる前にタンパク質や脂質、野菜を食べるようにしよう。
痩せたいならたんぱく質メインの食事に切り替えよう!
ご飯の前にタンパク質を食べると血糖値が上がらず太りにくいことは先に説明した。
そして、タンパク質にはさらにダイエットに良いことがある!
それは、タンパク質は体脂肪にならないことだ。
また、「食事誘発性熱産生」が高いことも見逃せない。
ちなみにあなたは、「食事誘発性熱産生」をご存知だろうか?
「食事誘発性熱産生」とは、食事によって引き起こされるカロリー消費のことだ。
つまり「ご飯を食べているだけで消費されるエネルギー」のことだ。
ご飯を食べていて、体がポカポカ温まる経験があると思うが、それがまさに「食事誘発性熱産生」だ。
そして、この「食事誘発性熱産生」は、「糖質」「脂質」「たんぱく質」によって大きく違いがある。
- 糖質のみ摂取…摂取カロリーの6%を消費
- 脂質のみ摂取…摂取カロリーの4%を消費
- たんぱく質のみ摂取…摂取カロリーの30%を消費
以上からわかるように、たんぱく質を吸収するためには、摂取カロリーの30%ものエネルギーを必要とするのだ!
つまり、仮に同じ2000kcalを摂取したとすると
- 糖質のみ摂取…2000kcal×0.94=1880kcal吸収される
- 脂質のみ摂取…2000kcal×0.96=1920kcal吸収される
- たんぱく質のみ摂取…2000kcal×0.7=1400kcalしか吸収されない
以上のことから、たんぱく質をメインに摂取するだけで、30%近くもカロリーを抑えることができるのだ!
つまり、しっかり食べてダイエットに成功したいのであれば、たんぱく質をメインとした食事メニューに切り替えるべきなのだ!
参考記事
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-030.html
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトより
食事誘発性熱産生 / DIT(しょくじゆうはつせいねつさんせい)
/ Diet Induced Thermogenesis / 特異動的作用 / Specific Dynamic Action / SDA /
食事をした後、安静にしていても代謝量が増大すること。
食事を摂ると体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱となって消費されます。このため食事をした後は、安静にしていても代謝量が増えます。この代謝の増加を食事誘発性熱産生(DIT: Diet Induced Thermogenesis)または特異動的作用(SDA: Specific Dynamic Action)といいます。
食事誘発性熱産生でどれくらいエネルギーを消費するかは栄養素の種類によって異なります。たんぱく質のみを摂取したときは摂取エネルギーの約30%、糖質のみの場合は約6%、脂質のみの場合は約4%で、通常の食事はこれらの混合なので約10%程度になります。食事をした後、身体が暖かくなるのはこの食事誘発性熱産生によるものです。
加齢や運動不足で筋肉が衰えると、基礎代謝が低下するだけでなく食事誘発性熱産生も低下します。逆にトレーニングで筋肉を増やすと食事誘発性熱産生は高くなるとされています。また食事の摂り方としてよく噛まずに飲み込んだり、流動食だけを摂る場合に比べると、よく噛んで食べる方が食事誘発性熱産生は高くなるといわれています。
詳しくはこちらでも解説しているぞ!
脂質は重要!
ダイエットの敵と思われがちな「脂質」だが、実は「脂質」は人間が生きていくうえで絶対になくてはならない栄養なのだ。
その理由は、人間の「ホルモン」は脂質からしか作られないからである。
男性ホルモンのテストステロン、女性ホルモンのエストロゲンをはじめ、副腎皮質ホルモンやインシュリンホルモンなど、すべてのホルモンは「脂質」から作られているのだ。
そのため、ダイエットのため…とか言って極端に脂質を制限すると、確実に身体を壊してしまうぞ!
それに、そもそも脂質は町での吸収が非常に困難な栄養素である。
脂質は分子構造が大きく、また水と混ざらないため、その多くは便と一緒に排出されてしまうのだ。
なので、体内の脂質を補うために肝臓で脂質を作り出しているほどだ。
「脂肪は太る」という考え方は、もはや古い考え方であることを理解しよう。
食事の管理ができないなら「冷凍宅配弁当」を利用するべし!
ここまでの説明で、食事の管理がダイエットの近道であることは理解できただろう。
しかし、
- いちいちそこまでメニューとか考えられない
というわがままな人もいるだろう。
また、私のように自分で料理をするのが苦手な人もいるはずだ。
そんな人にオススメなのが「冷凍宅配弁当」だ。
「冷凍宅配弁当」は、文字通り冷凍のお弁当を定期的に配達してくれるサービスのことだ。
しかも、ダイエットに最適なメニューだけでなく筋肉を増やすメニューまで取り揃えているものまである。
そして、PFCバランス(糖質、脂質、たんぱく質のバランス)も完璧なので、あなたはただレンジで「チン」して食べるだけだ!
私は昼食で利用したりしている。
もちろん、夕食にしても良いだろう。
しっかり食べながら痩せたいなら、「冷凍宅配弁当」はアリだ!
まとめ
筋トレでダイエットは効率悪い!本気で痩せたいなら筋トレよりも食事の管理だ!いかがだっただろうか?
筋トレで筋肉を増やしても、基礎代謝はそれほど上がらない。
つまり、苦労の割に効果が期待できないのだ。
しかし、食事をしっかりと管理すれば、わずか1~2ヶ月で数キロ~10㎏くらいは簡単に落とすことが可能だ。
血糖値を上げる食事こそが「体脂肪の原因」だ。
なので、血糖値を急激に上げない食事を心がけることがダイエットには一番重要なのだ。
糖質を食べすぎている人は、まず総量を減らす努力をしてみよう。
そして、糖質を食べる前にタンパク質や脂質、野菜をたっぷり食べる習慣を身につけてほしい。
そうすることで、食べながらのダイエットが可能になるのだ!